イタリア自動車雑貨店の物置きパンダとは…
ところで今回、話のネタにと思ってイタリア自動車雑貨店のパンダにチョイ乗りしてみた。94年か95年ぐらいの正規モノFFマニュアル。走行距離8万5000km。店主オータによるワケのわからないモディファイがテッテー的にほどこされた非常にヘンな個体だ。おそらく、パンダを好きな人が見たら「こういうのだけはゼッタイ買わんとこ」と思うこと間違いなしの。そういえば、リアシートがなかったような。捨てたのか。
キーの回転じゃなくスイッチぱちんのエンジン始動やレース用バケットシート×2や小径ハンドルや内装ナシ等々は「あーあー」だったが、乗ったらこれが程度ヨカッタ。エンジン、スウィート。触媒取っ払い+マフラー取っ替えのせいか排気のヌケよし(そのぶん低速トルクも若干ヌケ気味)。甘く野太い排気音けっこう魅力的(各種低級音をマスクする効果もあり)。中古パンダに特有のギアボックスからのジャラジャラ音、なし。ボディのヘタり、特にそれらしき兆候なし。エンジンマウントのヘタりも特になし。乗り心地、良好。エアコン、まだついてる。
この好感触は、おそらく店主オータが自宅と店とを高速道路で往復(遠慮なくトバしているのは間違いなし)するのがもっぱらの使われ方だったせいだろう。つまり、都心のド渋滞下でのノロノロや発進加速のシツコい繰り返しをあまり体験していないからこその程度のよさ。要するに、イタリアで使われる状況に近かったからではないかと。
でもってこのヘンな(見た目の)パンダ、場合によっては売ってもらえるかもしれない。私がチョイ乗りしたときも、看板グルマのはずのパンダ君は店の横の駐車スペースであわれ物置きと化していた。またよく入るんだ、パンダ。段ボールとかイロイロ。仮に売るとして店主オータがこのパンダにいくらつけるか知らないが、中古車ウォッチャーの私にいわせれば上限25万円ぐらいでしょう。いや20万円ぐらいか。いっそのこと、お客様大感謝プライスとして15万円ぐらいはいってもバチは当たらない。あるいは、「専用マフラーをオーダーするとパンダが1台ついてきます」(笑)
とか。
ハタで見てると、オータさんてどうもイジることそれじたいが楽しいみたいなのね。ナンかマメな人なんですよ。ステッカーの貼りとかもそれなりもっともらしいんだけど、でも具体的に「こういう感じのパンダに仕上げたい」っていう明確なビジョンはたぶんない(あれであったらかえってコワい)。
それなんで、雑貨店パンダは見た目にかなり正体不明。できそこないの“デトミニ”=イノチェンティ・ミニ・デトマソみたいにも見えるし。でも乗るとイイ。いままで乗った中古パンダのなかでいちばんヨカッタ。ということで20万円前後で買えるなら非常にオススメ。エンスー諸君から白い目で見られることを除けば問題なし。現状でサクサク楽しく乗れることを私が保証します。本気の人は、店に電話して「モリケータさんの紹介ですけど」といってくれれば・・・たぶん切られるか。
以上、パンダはイイよというお話でした。 |