許せてしまう難点とは・・・
と、これだけホメとけば十分ではないか。逆に、よくないところももちろんある。
難点・幌の締まりがよくない
ちなみに開閉はスイッチぽん+2箇所の手動ロック/アンロック。開ける方向はとりあえずオッケーとして、締めてその最後に2箇所をロックするときが問題だ。具体的には、ウィンドシールドの枠にある穴にフックをソーニューして、いや引っかけてレバーを引いて固定するようになっているのだけどその穴に上手いこと入らない(私は再びここでイヤらしいたとえを思いついてしまった)。
信号待ちの間に幌を自動で閉じて、運転席に座ったままロックをカチャカチャっとした……気になっていたら幌と枠の隙間から向こうが見える!うわあと思って道端に停め、ちなみにニーヨンロクだったんですけど、慌てて確認したら本来の穴の手前にもう一個の穴があってそっちのほうにフックをソーニューしてしまっていた(三度ここでイヤらしい……シツコイですね実に)。どうしてこんな間違いやすいとこに穴あけとくかな。
結局のところ、幌を閉める作業は運転席に座ったままではやれなかった。クルマから降り、上から幌をウンと押し込んどいてカチャ。それを左右両側で。言葉にすると簡単だけど、実際はたっぷり5分か10分ぐらいかかった。何度もトライして失敗した。寒空の下。困って取説読んだら、ちゃんと「上手く閉まらない場合は幌を抑えてやってみれ」というムネ記述があった(笑)。これが夏とかであれば、ひょっとして幌が伸びてラクになるのか?
あるいはこれ、高速でバタつかないよう幌のテンションを高くしたことの弊害かもしれない。たしかに、ユーノスあたりはロックはラクだが幌の張りはいまいちユルい。でも、たとえばボクスターなんかの幌はバンと張っててもロックはラクちん至極の百発百中のしかもたった1箇所でオッケーなのに。
難点・オーディオがよくない
音質はさておき、市販品ポンづけのヘッドユニットはパネルの操作がまったくもってワケわからん系。電源のオンオフすら走行中にやるのは難しい。ヘタにスイッチ探すとブツかりそうでコワい。マトモなヤツにスイッチするか、あるいは大手みたく純正デザインの日本仕様を用意するか、どっちでもいいから早いとこ対策してほしい。しかし、こういうヒドいインターフェイスデザインにも最近はちょっと慣れてきたからコワい。
難点・リモコン式ドアロックの命中精度
ま、これもたぶん慣れます。クルマのすぐ脇まで近づいてベルトの高さあたりから心持ち上へ向けてオンするとよく当たる、ような気がする。でも、こんなカッコいいクルマでロック/アンロックが一発でキマらないのはイカさない。さしずめ鼻毛。ヒガシ(東山紀之)の顔がアップになったとき鼻毛が1本ビヨーンて伸びてたら悲しいでしょうに。
難点・着座位置がミョーに高い
日本仕様のスパイダー/GTVが右ハンに変わった年式からこうなってしまった。おそらく、側面衝突対策の強化でフロアにリブでも入ったのだろう。これまた、何度か乗るうちに慣れてはきた。でも、慣れたところでもう一度低いほうのに乗るときっと感激すると思う。なお、シートじたいのデキはけっこういいしまた着座位置の高さは気になるとしてもドライビングポジションは悪くない。右ハンドル化の弊害もこれといってない。ただし、ブレーキペダルはちょっとフヌケ気味だった。
いくつかの難点も、しかしながら乗ってしまえばすべて「許す!」という感じだった。いやホント、私はけっこうトケてしまった。これだけ濃厚な体験ができて455万円、はどう考えても安い。イタ車ファン界における注目度はイマイチ低いようであるけれど、こんないいクルマを乗らずにいるのは人生の一大損失だと思う。どんどん買うように。 |