「アルファなんかもう、ブランドしか残ってねえもんな」なんて徳大寺有恒さんあたりはよくいってたけど、でもそれって実はすごく大事なコトなんですよ。問題は、それがどう「残って」るかであって。ホントのホントに名前だけじゃしょうがないけど、ここ最近のFIAT系各車をみてるとどうやらそうではなかった。アルファは(あるいはFIATやランチアは)「こういう感じでこう走るべし」ってのが乗ると各々メーカクにわかる。でまた、ハードウェアの細部や細部じゃないところにその根拠というか裏づけがちゃんと見える。たんなるムード云々の世界じゃ全然なくてね。
そういうなかでランチアに関していうと、ここ最近まで彼らはたぶん迷ってたわけです。より具体的には、二代目デルタとかデドラとかカッパのケースでは。つまり、「俺たちはこれでいくしかないんだ!」っていうキメの方向がイマイチ見えてなかった。初代デルタはもちろんソレナリ以上にヨカッタし、あとテーマはホント、最高だった。でも、あのへんてひょっとして正調ランチアそのものではなかったのかもしれない。むしろ、私にいわせばパンク系ランチア。で、ナニをいいたいかというと、最近のランチアは彼らのいくべき方向をキッチリとらえなおすことができたと。その結果として世界的にバカ売れするようになるかどうかはまた別のハナシとして。
ナニよりイイのは、とらえなおした正しい道がどっかで拾ってきたりタマタマみっけたりしたようなモンじゃ全然ないってことね。だって、(たぶん)正しいランチアに戻ってるわけだから。あるいは、イマの世の中にちゃんとアジャストしたうえでの正しいランチアをやりつつあるわけだから。
あとそう、プラットフォームの共用化されてる部分に関していうと、イプシロンもクルマはちゃんとしてますよ。だってプントの兄弟なんだから悪いワケない。そういって素直に納得してくれる人は日本には多くないと思うけど、でもこれまでFIATがハズした、あるいはくだらない小型車を作ったことがあったでしょうか?
その点では、冗談ぬきゴルフにおけるVWの場合よりも信頼のブランドだと思う。FIATは。少なくとも、ウーノ-プント系に関してはね。
そういうわけで、こんなステキな小型車が228万円で買えるってのはイイ話だなあと思いましたよ。ヘンな話、正規でデカくやったら相当イイとこまでいくクルマでしょうね。本国仕様そのまんまのMTだったらくだらん壊れかたはしないだろうし(こないだ旧メガーヌのATのコワれ頻度のハゲしさをきいて私は思わずひっくり返りそうになった)。誰が見てもイイって思っちゃうようなのは真の高級とはいいかねるしランチアは基本的にそういうものなんだろうけど、でもこのイプシロンに関しては必ずしもホソいセンではないと思う。だってこれ、パッと見からしてキラいようがないじゃない。ちょっと。ほっとくとまた話が長くなるんでそろそろやめますけど、ホントよかったよこれ。
値段やスペックとかの額面で「オマエは来んな!」っていってるわけではないところがまたイプシロンはイイ。ある程度誰でもスッとなかへ入れてくれるんだけど、でも座った瞬間まわりみてビビるよね。ていうかヒきますよ。たとえばの話ジャージ履いてたりすると。で、自然と「スイマセン」て気分になる。北風と太陽でいうと、太陽系のエクスクルーシブ。そういうビミョーなココロがイマイチないモリケータあたりはダサい半ズボン姿でどんどん乗っちゃうわけだけど。 |