ということでチョイ乗りさせてもらったらホントに調子よかった。印象は前乗ったとき(コラムのバックナンバー参照ヨロシク)と基本的にまったく同じで、誇張なしにゴキゲン。たしかにこりゃ、停まっちゃいそうな不安なんて全然ないわ。運転はしやすいわ楽しいわで、もう笑っちゃう。うははははははは。小径ハンドルとかついてんのにステアリングはカルいし。ちょっと頑張れば掌でクルクル回せるぐらいで。
タイヤが終わっちゃってるとかダンパー無交換(なのにバネはH&Rだかのローダウンものがついている)だとか荷物が後ろのほうでガシャガシャいってるとかはあったけど、そんなの全然気にならない。要因としてひとつデカいのはボディのカッチリ感で、そこがバッチリだから周縁部が多少(じゃないか)ヤレてたとしてもヤにならない。すごく鉄っぽいボディ。あと、ボディにひっついてて場合によってはギシギシ音たてたりするようなものがパンダにはほとんどない。ことに、このパンダの場合は普通の状態に輪をかけてない。ドンガラに近いから。
エンジン元気(オータ社長いわくオイル交換はマメにやってたらしい)。ブレーキ停まる。ライト点く。パンダ、よかったね。ちゃんと大事に使ってもらえてて。あとこれ、いわゆるアタリの個体だったのではないか。いまから10年くらい前に中古のパンダをまとめて4台か5台乗ったことがあったけど、 そのなかにはこれよりボロッチなのもあったしなあ。何台か。大きな教訓として、10年落ち9万km超のパンダでも機関さえしっかりしてれば大いにゴキゲンに乗れるってことがわかったですよ。丈夫なクルマ。いま中古の初代パンダって高いから、その意味では救いですね。つまり、高年式とか低走行とかにコダワる必要特になしってことだから。
取材後お店に戻ったら、いちばんホットな反応をみせたのはシャチョーだった。デジカメをひったくるようにして手にとってそっからメモリーカードを引き抜いて自分のデスクのパソコンにツッこんで画像出して、あそこがどうのここがどうのといいながらしばらく眺めてた。
そのシャチョーに向かって、いっしょに取材いった担当編集イシー店員がやおら「社長スイマセンでした実は……」。ナニゴトかと思ったら、実はイシー店員、前もってパンダを取り返してくるようシャチョーからいわれていたらしい。ってどこまで本気だったのか知らんけど。
「すごくいい人だったし気に入ってちゃんと乗ってらしたんで、結局最後の最後までいいだせませんでした」(イシー店員談)。でもイシーさん、別れ際コギさんにこうはいっていた。「あのスイマセン。もしこの先手放すようなことがありましたら、その際はどうか店のほうにご一報ください」。ということで、イタ車雑貨店元社用車の赤パンダはいまもシアワセに使われておりました。 |