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禁断症状が……
活字が足りない。
乱読ばかりで、特に系統だてて読書をしたためしはないが、それでも夢中になって読んだ作家は何人かいる。
たとえば安部公房。シュルレアリズムに通じる彼の作品は、その設定こそ非現実的であれ、根底にあるものは非常に現実的で普遍的な人間の姿。とくに『壁』や『燃え尽きた地図』は強く印象に残っている。
それから、私が学生時代に好きだったのは、なんといっても三島由紀夫。太宰か三島か!? と問われれば、即答で三島由紀夫と答えるだろう。『仮面の告白』、『金閣寺』そして『潮騒』など初期の作品の力強さとみずみずしさに惹かれてしまった。
けれど、彼の作品の中で一番印象に残っているのは『三島由紀夫レター教室』だ。当時私の王子様だった小沢健二氏の推薦文の入った帯に目が止まり、近所の古書店で手にした一冊である。5人の登場人物が交差して送る手紙のみの異色の小説。これがとっても面白くって、私のなかではじめて三島由紀夫とユーモアが線で繋がった一冊だった。
最後に作者から読者へというかたちで、三島由紀夫からのメッセージが書いてある。
「世の中の人間は、みんな自分勝手の目的へ向かって邁進しており、他人に関心を持つのはよほど例外だ、と分かったときに、はじめてあなたの書く手紙にはいきいきとした力がそなわり、人の心をゆすぶる手紙が書けるようになるのです。」
まったくそのとおりで、私も例外ではなく、だから人の心をゆすぶる手紙も文章も書くことがなかなかできないのだな、と。
うーん、まずは読書。無限の言葉の海を泳いできます。何を読もうかな、ワクワク。
追伸:お手紙を書く際には、当店オススメのノートパッドを是非お使いください(笑)
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13:20 by ぴろり |
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