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第1回 TORINO フィアット100周年 |
今年1999年、トリノの街は春先からフィアット100周年の華やいだ雰囲気に包まれていた、かというとそうでもなく、ちょっと拍子抜けという感じでした。7月のメインイベントを除けば、3月,5月の2回の滞在中も街角にはそれを告げるサインボードの類が、ポツン、ポツンと眼に入る程度、そんな盛り上がり方だったように思います。
それでも9月に入ると、市内随一の目抜き通り、VIA ROMA(ローマ通り)のペーブメントには、フィアットの100年をトリノの100年に重ね合わせた写真が10メートルおきくらいの間隔で吊り下げられていて、お祭り騒ぎというよりもじっくりとこの100年を回顧してみるというような、トリノ人らしいちょっと引き気味の態度が印象に残りました。
このページの写真にフィアットの旧ロゴを掲げる建物がありますが、ここは市内のフィアット発祥の地、CORSO
DANTE(ダンテ大通り)にある記念館で、フィアット100年にまつわる代表的なクルマ、工場設備、図面等が実物あるいは写真で展示されていました。それでも規模はほんとにささやかなもので、30分もあれば一通り見学できる程度です。ちょうど日曜日の午前中に訪れたということもあったと思いますが、混雑とは無縁、静かな美術館のなかを巡っているようでした。
イタリアはその土地,土地で人々の気性や気質も大きく異なっていますが、トリノはフランスに近く、文化的にもその影響を多く受けていますから、僕らがイタリア人に抱く「明るく、陽気で、ちょっといい加減」なんていうステレオタイプにトリノ人を当てはめようとしても、それはちょっと無理があります。どちらかというと、冷淡な感じさえ受けることもありますが、そんなトリノの人々の感性が今回のフィアット100周年にも色濃くあらわれていました。
今回からしばらくの間、自動車にまつわるイタリアの街のガイドを掲載してゆきます。イタリア旅行の際の参考になれば幸いです。次回もトリノ。ホテル、レンタカー、レストランの情報なども交えて、もうちょっと詳しくお伝えします。 |
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