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第3回 TORINO TORINOのホテル |
ピエモンテ州の州都トリノは、アルプスの麓(ピエモンテとはまさに「山の麓」の意)に近く、この季節、特に夜になると「身を切るような」とはこのことか、というほどの寒さを実感します。
ですから、観光で出かけるには4月〜10月後半までがベスト。
中でも春から初夏にかけてのトリノは、コートを脱ぎ捨てた解放感そのままに、さんさんと降り注ぐ陽光のもといちだんと華やいできます。
オープンカフェの鮮やかなテーブルクロス、色とりどりの商品がディスプレイされたショーウィンドゥ、週末の広場でのイベントなどなど、イタリア人の季節感の表し方は直接的で、特に視覚に訴えかけてくるものが多いように思えます。
とにかく一度トリノへ、と考えている方、春から初夏、この季節が絶対のお勧めです。
さて、トリノはイタリア旅行の滞在地としてはマイナーな存在ですが、市内のホテルの数は決して少ないわけではありません。
1年を通して各種のコンヴェンションやビジネス関係のイベントが開かれ、またフィアットのお膝元ということもあり、この地を訪れる人々は年間かなりの数にのぼります。
2004年には冬季オリンピックも開催されます。
ですから、ホテル探しに苦労するなんてこととは無縁です。
ただ、ミラノやローマ、フィレンツェなどとは異なり、日本で入手できるホテルの情報には限りがありますから、渡航前のホテル選びは簡単ではありません。
そこで数あるホテルの中でも、イタリア自動車雑貨店お勧めのホテル、今回はこれをご紹介いたします。
まず、日本でお馴染みの、ニューオータニ、帝国、オークラなどといった形態のインターナショナルかつグランドスケールのホテルは、トリノには存在しません。
トリノに限らずイタリアにはその種のホテルはとても少ないと思います。
どちらかというと遥かに小規模、こじんまりとしたプチホテルが主流です。
さて、今回お勧めするホテルは『ホテルヴィクトリア』。
ヨーロッパの各都市にはよくこの名前のホテルを見かけますが、チェーンではありません。 ☆☆☆クラスのホテルです。
ミラノやローマに行かれた方は☆☆☆クラスのホテルに良い印象を持っていないかもしれませんが、ヴィクトリアは別格です。
ミラノの☆☆☆とは比較にならないほどのレヴェルですし、なにより同じクラスでも、トリノは室料が20%ほどは安いのです。
ロケーションはポルタヌォーヴァ駅から徒歩10分ほど。前回お話した市内の目抜き通りVia Rome(ローマ通り)にも近く、その上とても静かな環境にあります。
● エントランス
ところどころペンキの剥がれた白い扉は自分で開けます。つまり自動ドアでもないし、
ましてやベルボーイなんていませんから。
ちょうど玄関の前がクルマ寄せなのか道なのか判別しにくい(実際は道。Via Nino Costa)広いスペースになっているので、クルマで到着した場合も荷物の積み下ろしは大変楽に行えます。
● フロント&ロビー
玄関を入って正面がエレベーター、右にフロント、そして左にロビーという配置になっています。
フロントもロビーもこじんまりしていますが、この種のホテルとしてはロビーの居心地は良く、リラックスできるソファーに座って、読書から居眠りへなんていう芸当も自然に出来てしまいます。
木曜日の夜はここにカクテルが用意され、宿泊客は自由に楽しむことが出来ます。
フロントにはたいてい男女各一人のレセプショニストがいますが、応対は笑顔がありとてもフレンドリーです。
1週間ほど滞在していると日々フロントにいる人間の組み合わせが変わりますが、その誰もが英語力あり。
イタリア語ができなくても安心です。
● 客室
基本的に一人でシングルルームを頼んでもダブルルームのシングルユースになります。
部屋は当然清潔で、リネン類にも神経が行き届いています。
部屋自体の広さも日本のスタンダード・ツインよりは若干広めです。
これで1泊22万リラ〜27万リラ(約1万3000円〜1万6000円)。
シングルユースですとここから約15%ほど安くなります。
● 食事
室料には朝食が含まれています。イタリアに旅行なさった方ならご承知の通り、イタリアのホテルの朝食はパンにコーヒー程度のところが多いのですが、ヴィクトリアではバイキング形式で楽しむことが出来ます。
朝食ですからもちろん豪華なものはありませんが、清潔で明るいダイニングルームでの1日の始まりはとても気分の良いものです。なお、このダイニングは朝食専用で、ヴィクトリアではホテル内で夕食をとることはできません。近くにたくさんあるレストランへどうぞ。
とまあ、概略を記すとこんなホテルです。
僕は1年で通算40日くらいここに滞在しますが、イタリア各地で ここより高いホテルに泊まっても、今までヴィクトリアに勝るところを経験したことがありません。
ヴェネツィアでは、1流といわれる1泊50万リラもするホテルにも宿泊した経験がありますが、 残ったものは落胆だけでした。室料を基準にして良いホテルかどうかを見極めるのは、得策ではないと思います。
ホテル・ヴィクトリへは日本からファクスで予約が出来ます。
HOTEL VICTORIA Via Nino Costa 4 10123 Torino, Italia
Tel.39-011-5611909 Fax. 39-011-5611806
※市外局番011の[0]を取らずにダイヤルします。
トリノについては今回が最終回。予定していたリストランテやイベントの情報など紙数が尽きたため今回は掲載できませんでした。
これらについては次回以降、順次お話させていただきます。さて、次回はフランスのレトロモビル、そしてイタリア・ブレシアの1000MIGLIAについてです。掲載は3月1日を予定しています。 |
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